東京科学大学(Science Tokyo)総合研究院 フロンティア材料研究所の真島豊教授の研究グループは、物質理工学院 材料系 舟窪浩教授、フロンティア材料研究所の伊澤誠一郎准教授らと共に、次世代の不揮発性メモリーとして期待される強誘電トンネル接合(FTJ)のトンネル電気抵抗効果(TER)比の面積依存性に注目し、最小で1辺25
nmのナノクロスバー型強誘電トンネル接合を作製する手法を確立。素子面積が小さくなるほどTER比が向上する面積依存性を見いだしました。
近年、IoTやエッジAIの進展に伴い、超低消費電力かつ高集積な不揮発性メモリーが求められています。従来のフラッシュメモリーは微細化限界や書込み電圧の増大などの課題を抱えており、これに代わる次世代メモリーとして、非破壊読み出しと低消費電力動作が可能な、数ナノメートル厚の強誘電体の分極反転を利用するFTJが注目されています。しかし、TER比の面積依存性は明らかとなっていませんでした。
本研究では、白金と酸化チタン電極間にイットリア(酸化イットリウム、Y2O3)を7%添加したハフニウム酸化物(YHO7)をサンドイッチしたナノクロスバー型FTJを、電子線リソグラフィ(EBL)を用いて熱酸化シリコン(Si)基板上に作製し、メモリー特性の温度依存性と面積依存性を検討しました。その結果、低抵抗状態(LRS)と高抵抗状態(HRS)のそれぞれにおいてトンネル電流が流れ、TER比は素子面積が小さくなるほど大きくなり、最大で2,000の値を得ました。
今回得られたナノクロスバー型FTJにおいて「微細化するほどTER比が大きい」という知見は、超高集積・超低電力・セレクタレス・3D積層という、次世代メモリー産業の中核要件を同時に満たすため、今後の産業応用展開が期待されます。
今回の成果は、ナノテクノロジー分野の学術誌の1つである「Nanoscale」のオンライン版に1月2日(現地時間)に掲載されました。
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